食品:産地の話

食品の安全問題が中国のターンになる日 - (旧姓)タケルンバ卿日記避難所
中国が日本で食品をつくる日 - (旧姓)タケルンバ卿日記避難所


中国の食品加工企業(工場)が日本国に進出し、日本産という産地で加工食品を販売するだろうという予測。


結局のところ、中国産とは何かというと、中国で最終加工して製品化されるから中国産なわけですね。野菜なんかの食品そのものは産地が問われるわけですが、加工食品の場合は最終加工地が産地となる。中国産のほうれん草を日本に輸入し、それを使って日本で流動食をつくれば、日本産の加工食品一丁あがりとなるわけですよ。原材料が中国産というだけでね。

確かにその可能性はあると思います。

  • すでにある加工プロセス

例えば、北海道産のホタテの貝柱などは、かなり前から大手総合商社が仕組んでいて、北海道で獲れたホタテを中国に空輸、中国の工場で貝柱という形にする作業が行われます。
その貝柱は、更に日本に空輸され「北海道産 ホタテの貝柱」としてスーパーなどでパックで売られています。
空輸の費用をかけてまで・・と思うのですが、結局、日本人が日本国内で作業するより、往復のエアーフレイトを払って中国で作業する方が、安いという事実があります。

もちろん中国で獲れたホタテならなお安くなるという訳ですが、「北海道産」というブランドが強いカテゴリーなので、あえてこのような加工プロセスで流れています。

  • 日本での加工作業の労働賃金

中国企業が、日本に進出した場合に考えられるのは、加工作業における労働賃金のレベルが中国と比較して、高くなってしまうこと。

例えば、中国企業の社員を日本に呼び寄せて*1作業すると想定しても、一人が居住するコストのレベルが違うので、中国での作業と同じ賃金では雇えないということになります。
日本人の労働者であったらなおさらでしょう。

となると今までと同じコストでの加工はできなくなるため、消費者に届く時の価格は高くなります。

日本産の原材料を往復で空輸して作業する方法より、コストが割高となっては企業側もうまみが無くなるのではないかと思います。

(追記)
読み返すと・・・
日本産の原材料+日本での加工(中国企業) VS 日本産の原材料 + 中国での加工 
という図式になっていますね。

上記で引用した内容は
中国産の原材料+日本での加工(中国企業
ということでしたね。

失礼しました。
(追記おわり)

  • 産地のブランドって?

牛肉を例にとると、XX牛、YY牛・・など有名な産地がありますが、大抵の場合、育ったところは「北海道」です。

牛肉の産地というのは「肉になった場所」つまりシメられて昇天した場所を言いますので、北海道で丹念に育てられた牛が、生きたままXX市やYY市に運ばれ、そこで肉となります。
これらが食肉ブランドにまつわるプロセスの一部なのです。

食肉の場合、安全性と同じぐらい、付加価値としての産地も意味を持つのでこうのようなプロセスになったと思います。

  • 難しい産地の話

以上のように食品の産地というのは、現在も複雑に入り組んだビジネスとなっており、大手や専門の商社、仲介業者、国際物流業者、加工業者、農家などは上記のように知恵を絞ってビジネスされていますが、結構アンタッチャブルな世界もイッチョカミしてたりするので、難しい話ではある、と感じています。



今日も思いつくまま殴り書き。

*1:法的な就労・ビザ関連の課題は度外視するとして